中退共 フリーランス(個人事業主)の保険と年金

〜 個人事業専従者にも退職金を 〜

 スポンサードリンク

中退共制度(中小企業退職金共済)

中退共とは中小企業退職金共済の略称で、中小企業の従業員の退職金を用意するための国の制度です。
昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられました。
独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部 が運営しています。

この制度は、従業員の退職金のための制度なので、個人事業主本人はこの制度に加入して退職金を受け取ることはできません。
しかし、専従者が加入することで世帯単位ではより多くの退職金を準備できる場合があります。

事業主は中退共と退職金共済契約を結んで、従業員ごとに毎月の掛金(月額 5,000円〜30,000円まで)を金融機関を通じて中退共に納付します。
従業員の退職時に、中退共からその従業員に退職金が直接、一時金で支払われます。
(退職時60歳以上であれば、分割して受け取ることも可能です。)

退職金の金額は加入期間によって変わってきます。

・11か月以下 → 支給なし
・12か月以上23か月以下 → 掛金納付総額を下回る額
・24か月以上42か月以下 → 掛金相当額
・43か月以上 → 運用利息と付加退職金が加算される(長期加入者ほど有利)

加入期間23か月以下で加入者が退職してしまった場合は掛金の元本を回収できなくなります。
加入期間が24か月以上42か月以下では一見あまりメリットが無いようにも見えますが、掛金を経費計上して所得税や個人事業税の納付額を減らすことができるため、戻りが元本と同じでも世帯の収支では得をすることが多くなるでしょう。

加入の条件

かつては同居の親族のみを雇用する事業所(ほとんどのフリーランスがこれに該当)は中退共には加入できないことになっていましたが、平成位22年に法改正がありこのような事業所であっても「使用従属関係が認められる」同居の親族は中退共に加入できることになりました。
つまりフリーランスでも家族が専従者となっている場合に、専従者が加入できる可能性ができたということです。

「同居の親族のみを雇用する事業所」の「同居の親族」が中退共に加入するためには、その人が次の条件を満たしている必要があります。

1.小規模企業共済に加入していない
2.加入の際に以下の書類を提出できる
 ・申込み従業員についての確認書
  (加入の際に中退共から送られる用紙に記入します)
 ・労働条件通知書の写しまたは労働条件確認書
  (労働条件確認書は中退共のホームページで様式をダウンロードできます)
 ・賃金の支払いがあることが確認できる書類
  (賃金台帳、経費帳または所得税源泉徴収簿。
   このうち賃金台帳は表計算ソフトなどでも作成可能です。)

個人事業主の専従者は、事業主の共同経営者という立場なら小規模企業共済に加入でき、事業主の指示で働く従業員という立場なら中退共に加入できるというわけです。

→中退共と小規模企業共済の比較は専従者の退職金制度をご覧ください。

なお、中退共は原則として従業員は全員加入させることになっています。
フリーランスで親族以外の従業員がいるケースは稀だと思いますが、そういう場合はその人の掛金まで事業主が負担しなければならないことに注意してください。(期間の定めのある従業員や短時間労働者は加入させなくてもよいことになっています。)

過去勤務期間の通算

事業主が中退共に新規に加入するときに、1年以上勤務している従業員については加入前の雇用期間を最長で10年まで通算することが可能です。
過去勤務期間の掛金は通常掛金と同額以下で選択することになります。なお、過去勤務期間の掛金は過去勤務期間の長さに応じて既定の率を乗じた金額となります。
過去勤務期間分の掛金は、通常の掛金に過去勤務期間の1か月分の掛金を上乗せして支払うことになります。

例えば、毎月の掛金を3万円、過去勤務期間4年分も同額の掛金とする場合、月々の納付額は次のようになります。

30,000円(本契約掛金)+
 (30,000円(過去勤務期間掛金本体)×1.04(過去勤務期間4年の規定率))
  =61,200円

この金額を4年間納付し、その後は本契約の3万円のみになります。

中退共の掛金限度額は通常3万円ですが、過去勤務期間が長い場合その期間は最大6万円程度の掛金を納めることもできるというわけです。

フリーランス(個人事業主)にとっての中退共の長所と短所

中退共制度を利用することで、事業主本人だけでなく専従者の退職金まで用意すれば、世帯全体としては将来かなり多くの退職金を準備できます。
また、中退共の掛金は全額必要経費となり個人事業税の納付額を抑えることにも貢献できるため、所得税だけにしか影響しない小規模企業共済などより払込額にたいする節税効果の比率が高くなるというメリットもあります。

中退共の短所は、加入期間が短いと払い込んだ掛金を回収できないため、廃業や専従者の退職が予定以上に早くなったときに大きく損をするリスクがあるということです。
さらに専従者は家族といっても事業主本人ではないため、予期せぬ事情で専従者ではなくなる可能性も排除でません。
また、支払われた退職金はあくまで専従者のものなので、必ずしも事業主の思い通りに動かせないかもしれないということも考慮する必要があるでしょう。

→中退共の節税に効果については専従者の退職金制度をご覧ください。

中小企業退職金共済事業本部の公式サイト

 スポンサードリンク


このエントリーをはてなブックマークに追加