小規模企業共済 フリーランス(個人事業主)の保険と年金

〜 退職金を自分で積み立てる 〜

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フリーランス(=個人事業主)の退職金

サラリーマンと違って、個人事業主であるフリーランスに「定年退職」はありません。
死ぬまで働くのも、自分で定年退職の次期を決めて事業をたたむのも事業主の自由です。
但し、自分で定年退職を決めたからといって、サラリーマンのように退職金を払ってくれる会社はありません
(終身雇用制度が崩壊しつつある中で、退職金が本当に貰えるのか怪しい会社もたくさんありますが。)

けれど、個人事業主も、退職金を自分で積み立てておいて、定年(事業をやめる)時に受け取ることは可能です。
個人事業主の退職金、それが「小規模企業共済」です。

小規模企業共済とは、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している、事業をやめたときや会社役員を退職した後の生活資金等をあらかじめ積み立てておく共済制度です。

掛金月額は1,000円〜7万円の範囲内で、500円単位で掛けることができ、加入後に掛金の額を変更(増額・減額)することもできます。
受け取り方法は一括・分割・併用のいずれかを選ぶことができます。

この制度の最大のメリットは、節税効果でしょう。
確定申告の際、1年間に払い込んだ掛金の全額が所得控除になります。
最大で年84万円の所得控除が受けられることになります。

どのくらいの節税効果があるのかは、公式ページに記載があるので確認してみてください。

将来、共済金を一括で受け取ると、税法上は退職所得扱いとなるので、退職所得控除の対象とすることができます。

尚、平成23年の法改正により、個人事業主の共同経営者も小規模企業共済に加入できるようになりました。
これによって、専従者などの退職金を用意できるだけでなく、青色事業専従者となっている人が加入することにより節税においても更に大きな効果を上げられるようになりました。
この点については、税金カテゴリの「専従者の退職金制度」のページで詳しく説明しています。

共済金(解約手当金)について

小規模企業共済の共済金(解約手当金)は、その請求理由によって4つに分けられます。

受け取れる金額が多い順に

・共済金A、個人事業を廃業した場合や事業主が亡くなった場合など
・共済金B、老齢給付(年齢が満65歳以上で掛金を15年以上払い込んだ契約者がときにでいるときに請求できます)
・準共済金、配偶者・子に個人事業の全部を譲渡した場合など
・解約手当金、任意解約など

となります。
また、掛金の払い込み月数が長いほど掛金残高(元本)より多くのお金を受け取れます。

なお、掛金の払い込み月数が12ヶ月未満の場合は、準共済金・解約手当金は受け取れず、6ヶ月未満の場合は共済金も解約手当金も受け取れません。
さらに、掛金の払い込み月数が240ヶ月未満の場合は、解約手当金が掛金残高を下回ります。

銀行預金のようにいつ解約しても元本が確保されているという性格ものではないので注意してください。

共済金(解約手当金)の受け取り方法

共済金(解約手当金)の受け取り方法は、一括受け取り、分割受け取り、一括受け取りと分割受け取りの併用があります。
一括受け取りは、共済金A、共済金B、準共済金、解約手当金のどの場合でも選択することができますが、分割で受け取りは、共済金Aか共済金Bでしかできません。
また分割受け取りができるのは、共済金の受け取り人が満60歳以上で共済金の額が300万円以上ある場合のみです。

税法上の取扱いは、
共済金を一括で受け取る場合は「退職所得」扱い
共済金を分割で受け取る場合は「公的年金等の雑所得」扱い
なので、どちらも営業所得などより税負担が少なくてすみます。

※共済金を受け取る際の税金については、「税金」カテゴリ内で解説しています。
 →分割で受け取る場合
 →一括で受け取る場合(401k)

貸付制度

小規模企業共済の契約者は、納付した掛金の7割〜9割の範囲内で事業資金等の貸付けを受けることができます。
利率は貸付理由によって異なりますが、最も高い一般貸付で1.5%(2012年現在)です。傷病災害時や経営の悪化などの理由の場合は利率0.9%(2012年現在)で貸付を受ける事ができます。
掛金の範囲での貸付なので、貸付時の審査などは無いに等しく、申し込むと即日〜数日で貸付金を手にすることができます。
一時的にまとまったお金が必要になったときなどに、共済を解約することなく現金を都合出来るので便利です。
もちろん金利分は経費計上することができます。
返済期間は、貸付金額などによって異なり、6ヶ月〜60ヶ月となっています。

「自分で掛けたお金を金利を払って借りるのは馬鹿馬鹿しい」と思われる人もいるでしょうが、必ずしもそうだとは言いきれません。
例えば小規模企業共済を毎月7万円の掛金を払っている人が100万円の営業車(償却期間2年の中古車)を買うために、小規模企業共済の掛金を5万円減額して2万円にしたという場合を考えてみます。
もし減額分を貯金して100万円貯まるまで営業車を購入しなかった場合は、20ヶ月間は所得税の控除額が大幅に減ってしまいます。
しかし、貯金をしないで100万円の貸付を受けた場合、中古車の原価償却分が、定額法で1年に50万円ずつ、定率法なら最初の1年で100万円全額を経費として計上できます。つまり、小規模企業共済の掛金を減らした所得控除の減少分を減価償却で補うことにより、所得税の納税額が増えるのを押さえることができるのです。
このときの税負担を押さえた金額が金利分より大きければ結果的には損をしていないことになります。そしてなにより、20ヶ月も早く営業車を手に入れることができるのです。

国民年金基金や確定拠出年金などは一定年齢になるまで掛けたお金を活用することはできないので、イザという時には小規模企業共済の方が役に立つ可能性は高いと言えるでしょう。

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